【決算・開示コラム】[IFRS受け入れに関する課題と対策 (4)コスト負担の問題]

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COLUMN 決算・開示コラム

2009/12/09

IFRS受け入れに関する課題と対策 (4)コスト負担の問題

IFRS導入準備にあたり、コスト負担が非常に大きくなる可能性がある。
まず、IFRSへ対応するために、会計処理のコンバージョン(conversion)や開示のコンバージョンだけではなく、(3)で述べたITシステムのコンバージョンも必要であり、これは大変な準備とコストが必要になる可能性がある。
例えば、販売システムが出荷基準を前提にシステムが組まれている場合、会計基準を検収基準へ変更するとなると、システムの設計変更が必要になる。 また、固定資産管理システムも、減価償却方法の変更(単体ベースと連結ベースで二重の計算が必要となる場合等)や、資産除去債務への対応等も必要となる。IFRSは連結ベースでの開示が求められていることから、国内子会社や在外子会社でも同じような対応が必要となる場合もあると思われる。
コスト負担は、ITシステム対応費用だけではない。グループ会社社員に対する・育成に係る費用、コンサルティング関連費用も予算に入れておく必要がある。
ちなみに、SOX法を採択する際、SECが予測した初年度コストは1社当たり約9万ドル(約900万円)だったのに対し、実際はかかったコストは1社あたり300万ドル(約3億円)。見積誤差33倍であった。そのSECが、今度はIFRS導入コストを1社あたり3年間で、3200万ドル(約32億円)と見積もっている。

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