【決算・開示コラム】[決算早期化と連結パッケージ]

財務、会計に関わる方々に向けた情報ポータルサイト

  1. CFO LIBRARY ホーム
  2. 決算・開示コラム
  3. 決算早期化と連結パッケージ

COLUMN 決算・開示コラム

2012/09/05

決算早期化と連結パッケージ

決算発表が遅延する会社を分析すると、単体決算が他社より遅すぎるという会社は少数で、ほとんどが連結決算か開示業務の遅延です。

連結決算が遅延する会社の中で多いのが、子会社からの連結レポーティングパッケージの提出が遅い、もしくはその精度が低いというものです。

しかし、連結パッケージの提出が遅い、精度が低いのは「当たり前」と思って下さい。

拙著「決算早期化の実務マニュアル」(P46)に、こんなことを書きました。

・・・ソニーやホンダといった巨大な上場企業であっても、その子会社は大半が非上場企業である。しかも、ほとんどが知名度の低い中小企業である。例えば、ソニーは1,277社の連結子会社を有するが(2011年3月31日時点)、皆様はその子会社の名前を何社いえるだろうか。ほとんど出てこないはずである。このように、通常は上場企業の子会社といえども、大半は知名度がなく、無名企業である。無名企業に連結決算の実務経験が豊富な人材はまずいないと思っておいた方がよい。上場企業であっても連結決算の実務経験を有する優秀な人材を確保することが難しいにも関わらず、知名度の低い子会社がそのような人材を確保することは極めて困難なことである。連結子会社の決算担当者は、連結決算の実務経験どころか、連結財務諸表の基礎知識すら有していない場合もあるだろう。そのような連結の基礎知識を有していない経理担当者にとって、親会社からの連結パッケージを入力することですら相当レベルの高い仕事を要求されているということを忘れてはならない。

さて、「子会社からの連結レポティングパッケージの提出が遅い!」、「精度が低い!」と言っている貴方の会社の連結パッケージは、何ページあるでしょうか? それは連結決算の知識がない方でも簡単に入力できるようなものでしょうか?

連結決算が遅延している会社、特に子会社からの連結パッケージ提出が遅延している会社の連結パッケージは、情報過多であり、しかも、網羅性に欠けているというケースが目立ちます。網羅性が欠けているので、連結パッケージを入手した後も、追加資料を依頼したりするなど面倒な事が強いられるのです。

まずは、連結パッケージの見直しをすべきです。ポイントは網羅性を確保するとともに、連結決算の知識がない方でも簡単に入力できるような体裁にするということです。

▼連結パッケージ作成例も紹介しています
「経理の仕組み」で実現する決算早期化の実務マニュアル「経理の仕組み」で実現する決算早期化の実務マニュアル
著者:武田雄治
販売元:中央経済社
(2012-07-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

▼「決算早期化の実務マニュアル」で紹介している連結パッケージのテンプレートの販売をしております(税込21万円、エクセルファイル)。また、連結パッケージのカスタマイズ、全面改良、英訳等も行なっております。詳しくはアガットコンサルティングまでご連絡下さい。

武田雄治ブログ

公認会計士 武田 雄治

コラムカテゴリ一覧