【決算・開示コラム】[「勤労税額控除」と「児童税額控除」]

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COLUMN 決算・開示コラム

2012/08/24

「勤労税額控除」と「児童税額控除」

一昨日も述べました通り、消費税増税に伴う低所得者支援策として「勤労税額控除」「児童税額控除」というものの導入を検討するようです。

この「勤労税額控除」「児童税額控除」という聞きなれない税額控除は、諸外国では一般的な制度のようです。

こちらの論文によると、「給付付き税額控除」は以下の3つに大別されるようです。

1.勤労税額控除
2.児童税額控除
3.消費税逆進性対策税額控除

最近メディアなどで「給付付き税額控除」といわれていたものは、「3.消費税逆進性対策税額控除」のことを指します。

で、この「給付付き税額控除」は3つの大別されますが、諸外国ではさまざまな制度設計の下、さまざまな名称で導入されています。

■諸外国の給付付き税額控除

●アメリカ
 EITC(Earned Income Tax Credit) 勤労所得税額控除
 CTC(Child Tax Credit) 児童税額控除
●イギリス
 WTC(Working Tax Credit) 勤労税額控除
 CTC(Child Tax Credit) 児童税額控除
●フランス
 PPE(Prime Pour L’Emploi) 雇用のため手当
●カナダ
 GSTクレジット(Goods and Services Tax Credit) 財サービス税額控除
●ニュージーランド
 WFFTC(Working for Families Tax Credit) 家族税額控除等政策パッケージ
●韓国
 勤労奨励税制

このように名称などは各国で異なりますが、社会保障政策(児童の貧困解消や低所得者の勤労促進)や租税政策(課税ベースの拡大と所得再配分の強化)の観点から、「勤労税額控除」「児童税額控除」が導入されているという背景があるようです。

2年前の週刊ダイヤモンド(2010/7/10号)の消費税特集にも、この「勤労税額控除」「児童税額控除」の解説が載っていました。本誌に掲載されていた以下の図表の通り、米国でも英国でも世帯収入400~500万円以下の世帯が給付を受けられるように制度設計されているようです。

児童税額控除 勤労税額控除

武田雄治ブログ

公認会計士 武田 雄治

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