【決算・開示コラム】[四半期決算 義務付けへ]

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COLUMN 決算・開示コラム

2005/06/17

四半期決算 義務付けへ

(メールマガジン『CFOのための最新情報』(2005/6/16号)より抜粋、一部加筆)

2008年度より、全上場企業に対し四半期決算が義務付けられることになりそうだ。 2008年度であるから、2007年4月1日以降に開始する事業年度から適用となり、2007年6月30日が第1四半期決算日として、四半期決算を行うことになるのだろう。ちょうど2年後からの適用となる。
四半期開示は、東京証券取引所などが取引所のルールとして開示を義務付けているが、これとは別に金融庁が罰則規定のある証券取引法に基づいた開示を義務付けるというもの。
従来から年に2回「有価証券報告書」「半期報告書」の提出を求められていたが、2年後より「四半期報告書」のようなものの提出を求められるのだろうか。
新聞報道によると、四半期開示の内容は現在の中間決算に「近い」情報開示になる、とあるが、個人的には、この「近い」って一体どういうことなのかが非常に気になるところ。
(1)ほぼ同等の情報を開示しなければならないが、一部を「省略」できる、 という意味なのか、 (2)ほぼ同等の情報を開示しなければならないが、一部を「簡略化」できる、 なのか。
「省略」であるならば、実務サイドとしては四半期開示に向けて特に準備が不要である。中間決算(半期報告書)と同様の作業をすれば良いだけだからだ。 しかし、「簡略化」となると、これは非常に面倒臭いことになる。財務諸表上での開示を簡略化する代わりに注記事項をさらに増やす、なんてことになれば、実務サイドの追加作業量が非常に増える。
どうか「省略」型であってほしい。
中間決算の開示も「簡略化」型であるが、個人的には本決算(有価証券報告書)と開示をそろえた方が、実務サイドも監査サイドも作業負担が減り、投資家サイドも情報の量や質、分かりやすさなどの観点から喜ばしいことではないかと思うのだが・・・。
もうひとつ、新聞報道で気になった点は、開示までの期間は四半期終了から「45日以内」であるという点。従来の「有価証券報告書」「半期報告書」の半分の期間で開示しなければならない。しかも全上場企業が。 決算発表の速報版ともいえる「決算短信」ですら決算日後60日くらい経過してから発表している会社がまだまだ多いなか、全上場企業が有価証券報告書を45日以内に提出することなんて出来るのだろうか?
四半期監査を簡略化するとかいったレベルの話ではなく、決算早期開示に向けての仕組み作りを各社が真剣に取り組まないといけないのではないだろうか。 猶予は2年しかない。。。

武田雄治ブログ

公認会計士 武田 雄治

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