【決算・開示コラム】[会社は誰のものか]

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COLUMN 決算・開示コラム

2005/07/16

会社は誰のものか

(メールマガジン『CFOのための最新情報』(2005/7/13号)より抜粋、一部加筆修正)
先日12日の放送の日経スペシャル『ガイアの夜明け』で、「会社は誰のものか」という特集を放送していた。 非常におもしろい内容であった。
サイバードの堀主知ロバート社長は、会社は利用者・顧客のものだと言っていた。 ナムコの中村会長は、会社は従業員・社員のものだと言っていた。 村上ファンドの村上世彰氏は、会社は株主のものだと考えている。
どの意見も正しいと思う。
私は、もっと広義にとらえて、会社は社会のものだ、と考えている。 社員のものでもあり、顧客のためでもあり、株主のためでもあり、社会に役立つものであるからこそ会社の存在意義があるのだと思う。
会社は株主のためであり、それ以外の何でもないとすれば、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の考え方など出てこないはずだ。
ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権発行は、東京地裁が差し止めを決定した。この決定は、保身のための買収阻止は司法から明確に否定されたことを意味し、経営権の源泉は株主ということが再認識されたのだ。
しかし、これは会社を株券という紙切れ(今はペーパーレスですが・・)で考えた場合の所有権や使用収益権という法的概念であり、会社をハコというかモノと考えた場合、会社とは社会のために存在するものではないか。
株券は転々流通するものであり、日々変化する株主のために会社が存在すると考えるのは実態と異なる概念のように思う。そもそも、法的概念では、会社をハコとかモノとみておらず、「ヒト」と犠牲しているところからして実態とは異なった概念であると思う。
私が会社の設立を決めたときのことを思い出してみると、私は「株主利益を高めたい」とは考えなかった。 一人でも多くの人の役に立ちたい、一社でも多くの企業に貢献したい、そういう思いが強くなって会社を設立した。 社会的に存在意義のある会社でありたいと常に考えている。
批判もあるでしょうが、会社ってそういうもんじゃないかと考えてます。

武田雄治ブログ

公認会計士 武田 雄治

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