【決算・開示コラム】[日本経済新聞社編 『M&Aがやってきた』]

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COLUMN 決算・開示コラム

2005/08/05

日本経済新聞社編 『M&Aがやってきた』

M&Aがやってきた! 仕事はどうなる、あなたはどうする?
ライブドアのニッポン放送株買い占め以降、本屋にやたらとM&A関連の本が並ぶようになったように思う。“M&Aブーム”に弊社も乗り遅れないように、まずはその中でも1番易しそうに思えた本書を購入してみた。
本書は、「M&Aをしかけられた場合」にどう対処したらいいのか、について書かれたもので、「買収されることは、自分の会社にとっていいことなのか、悪いことなのか?」「買収されて、自分の会社はどうなるのか?」など、32項目の質問に対し、M&Aの専門家が回答している。回答者がGCAの佐山展生氏や、上村達男教授や、牛島信弁護士など、すごいメンバー。
一見易しそうな本だと思ったが、結構奥深い項目もある。山本功SOZO工房取締役の「意見」は色々と考えされられた。 要約すれば・・・、『会社は、社会的な価値を生み出すための仕組みとして、法律が認めたバーチャルな存在で、株主もバーチャルな存在であるため、経済理論が想定する株主はこの世の中にはほとんどいない。したがって、証券市場で株式を買ったら自動的に株主の資格が発生する、という考え方をと問い直す必要がある。』という内容。 突然大量の株式を買い占め、増配等を会社にせまり株価をつり上げ、株価が上がれば売り抜くという手法で巨額のゲインを獲得する、というような「株主」も、法律上、経済理論上は株式を所有している間は会社を支配する権利がある。本書では、株主代表訴訟が、株式を6ヶ月以上保有している株主にしか起こす権利がないことを例にあげて、ついこの間株主になったばかりの者に会社の大事の決断を任せてもよいのか、という疑問を投げかけているが、全く同感である。

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公認会計士 武田 雄治

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