【決算・開示コラム】[「形式に流れる監査を排せ 」   (武田 雄治)]

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COLUMN 決算・開示コラム

2012/07/11

「形式に流れる監査を排せ 」   (武田 雄治)

本日の日経社説より

形式に流れる監査を排せ?

オリンパスの監査を担当した新日本監査法人、あずさ監査法人に対して金融庁は業務改善命令を出しましたが、これは「監査が形式に流れることへの戒め」といえるのではないかという意見が述べられています。

監査が以前より形式に流れていることは誰もが認めるところかと思います。金融庁、公認会計士協会の査閲が厳しいということも一因であり、先日の企業会計審議会第26回監査部会において、豆蔵OSホールディングス荻原紀男社長(公認会計士)も指摘されている点でもあります(詳しくはこちら)。

社説では、解決策として「証券取引等監視委員会などへの出向者を増やし・・・」などと書かれていますが、これは監査が形式に流れることを排することにはならず、監査の質が直接的に向上することにもなりません。個人的には(以前も書きましたが)監査基準を「原則主義」的なものにし、監査人が形式的な書類作成に追われることなく、考えて監査できるようにしなければならないと思います。

監査人 「○○の資料のコピーを頂けませんか。」
クライアント 「なぜそのような資料が必要なのですか?」
監査人 「マニュアルで求められているからです。」

現場でこんな会話がなされていませんかね。

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公認会計士 武田 雄治

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